緑のくすり箱とは
「緑のくすり箱」とは、自然薬のみで構成された家庭用救急箱のことです。
緑のくすり箱にいれるものは、少なく絞り込むことがポイント。
あれも、これもと、品数を増やすと、いざ使いたいときに、使用期限が切れている・・・ということが起こりますからね。
「サユリーヌの空色ラジオ」にて音声配信中!
緑のくすり箱の例
精油(ラベンダー、ユーカリ、オレンジなど)
メディカルハーブ(ジャーマンカモミール、ペパーミント、エキナセアなど)
クレイ(グリーンイライト、ホワイトカオリンなど)
ハチミツ(マヌカハニーなど)
無水エタノール
精製水
呼吸が楽になるユーカリ精油
スーッとした香りが特徴のユーカリ精油は、アロマ初心者の人でも使いやすい精油の一つです。
お値段も安い(10mlサイズで2,000円前後)です。
日本薬局方のリストにも入っている精油なので、医薬品としてもよく使われています。
【ユーカリ精油が配合された医薬品】
- メンソレータム軟膏(ロート製薬)
- メンターム(近江兄弟社)
- ヴイックス ヴェポラッブ(大正製薬)
ユーカリってどんな植物?
私は、精油の成分や効能を知るだけでなく、精油の母体となる植物について知ることが、とても大切だと思っています。
「木を見て森を見ず」はイヤだなあ~と。
どこで、どんな風に育つ植物なのかを知ることで、精油を使うときのワクワク感もアップします。
ユーカリといえば、オーストラリア!
そしてコアラ!
ですよね。
ユーカリの樹海 ブルーマウンテンへLet’s Go!!
世界文化遺産に指定されているオーストラリアのブルーマウンテン地区にはユーカリの樹海が広がっています。
ユーカリの種類は600種類以上ありますが、そのうちの30%がオーストラリアのブルーマウンテン地区に集中しています。
乾燥した天気の良い日にブルーヘイズと呼ばれる自然現象が起こることがあります。
ユーカリの木から精油が蒸発し、空気の層が神秘的なブルーに染まって見えるそうです。
一度は見てみたい景色ですよね♡
コアラはユーカリなしでは生きられない動物
「コアラ」という名前は、オーストラリアの先住民族アボリジニの言葉で「水を飲まない」という意味です。
そう!コアラは水を飲まない生き物なんです!!!
水を飲まずにどうして生きれるの!?って驚きますよね。
実は、別のものから水分を補給しています。
それが、ユーカリの葉!!
食べ物も、ユーカリの葉だけあれば基本的にいいそうです。
とはいえ、ユーカリの種類は600種類以上あり、その中で食べる種類は10数種程度。
好みがあるそうで、動物園の飼育係さんはコアラ別に好きなユーカリの葉を用意するそうです。
人間は様々な動植物をバランスよく食べないと生きていけませんが、コアラはユーカリさえあれば生きていけるなんて、不思議な動物ですよね。
森林火災とユーカリ
近年、温暖化によるオーストラリアの森林火災の長期化が深刻さを増しています。
ブルーマウンテン地区は、年間1万件以上の落雷があり、常に森林火災の危険があります。
精油には揮発性と引火性(火が燃え移りやすい性質)という性質があります。
つまり、ユーカリの樹海に火災が発生すると、ユーカリの木に含まれる精油の働きにより火が燃え広がり、大規模な森林火災が発生・長期化するそうです。
それなら焼け野原になってしまいそうですが、ユーカリは焼けてから24時間ほどで新しい葉が出てくる生命力の強い木です。
火災で灰になったものはミネラルとなり、土を肥やします。
こんな生命力のあるユーカリの葉から抽出された精油の香りを嗅いでみてください。
私は、その爽やかで、シャープな深みのある香りに、自然の力強さを感じます。
ユーカリ精油のプロフィール
主な成分である1,8-シネオールは、清涼感のある香りで医薬品や化粧品、食品香料として広く用いられています。ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ、ユーカリ・レモンなど、様々な種類があります。
一般的にアロマテラピーで使われるのは、ユーカリ・グロブルスとユーカリ・ラディアータの2つです。
原料植物名:ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ
科名:フトモモ科
主な産地:オーストラリア、スペイン、中国、ポルトガル
精油抽出部位:葉
精油抽出方法:水蒸気蒸留法
成分の一例:1,8-シネオール、αピネン、リモネン
主な作用:去痰、解熱、抗ウイルス、抗カタル、殺菌、沈咳、利尿
★禁忌・注意
皮膚刺激があるため、原液を肌につけない。
飲用しない。
火気に注意する。
精油を目に入れない。
妊娠初期、3歳未満の幼児には、芳香浴以外には使わない。
かんたん呼吸ケアオイルの作り方
咳が止まらなくて苦しい。
のどがイガイガする。
そんな時に役立つ呼吸を整えるユーカリ&ラベンダーのオイルのレシピを紹介します。
呼吸を整えるユーカリ&ラベンダーオイルのレシピ
【用意するもの】
小さめのビーカー(なければ小鉢など)
ガラス棒(なければ竹串やマドラー)
ホホバオイル 大さじ1杯(15ml)
ユーカリ精油 1滴
(マイルドな香りが好きな方はラディアータ、シャープな香りが好きな方はグロブルスを使用)
ラベンダー精油 1滴
【作り方】
①ホホバオイルの中に精油を入れて、ガラス棒やマドラーでよくかき混ぜる。
②オイルを携帯用の容器に入れ、作った日付を書いたラベルシールを貼ったら完成。
【使い方】
手のひらに500円玉サイズのオイルを取り、胸の上部やのどに優しく擦りこみます。
※使用期限:1か月。
直射日光の当たらない場所に保管し、1か月以内に使い切りましょう。
まとめ
緑のくすり箱に入れてほしいユーカリについて。
「木を見て森を見ず」にならないように、精油の事だけでなく、植物についても興味を持つことで、より豊かに香りを感じられるようになります。
《ユーカリの植物について》
- ユーカリの種類は600種類以上あり、そのうちの30%がオーストラリアのブルーマウンテン地区に集中しています。空気が乾燥した天気の良い日にブルーヘイズと呼ばれる神秘的な現象(ユーカリ精油が蒸発して、空気の層がブルー色に見える現象)が起こります。
- コアラはユーカリの葉から水分補給しています。
- オーストラリアの大規模森林火災が長期化する原因になっているのが、ユーカリの木に含まれる精油(精油には揮発性と引火性という性質がある)。
《ユーカリの精油について》
- スーッとした香りが特徴のユーカリ精油は、アロマ初心者の人でも使いやすい精油の一つ。お値段も安い(10mlサイズで2,000円前後)です。
- ユーカリ精油の主な成分1,8-シネオールは、清涼感のある香りで医薬品や化粧品、食品香料として広く用いられています。
- 呼吸を整えるオイルのレシピ紹介